肘の痛みでお悩みの方

肘の痛みのイメージ写真

肘の痛みで日常生活に支障が出ているときは、お気軽に当院までご相談ください。薬物治療やリハビリテーションなどを行い、症状の改善を目指します。

上腕骨内側・外側上顆炎

上腕骨内側・外側上顆炎の主な症状

  • 手首を曲げたときに痛みが生じる
  • 物を持ち上げると痛みが強まる
  • テニスのバックハンドのような動作で痛みが走る
  • テニスのフォアハンドで痛みが走る
  • 痛みで雑巾などを上手く絞れない など

上腕骨内側・外側上顆炎の原因と治療

前腕の伸筋腱や屈筋腱の使い過ぎによって起こります。加齢による組織の変性をベースとして、外側上顆や内側上顆が慢性的に引っ張られることで生じます。この部位に力が加わり続けると、腱や滑膜に微細な損傷と炎症が起き、痛みが発生します。

まず使い過ぎていた部位を休ませることが大切です。肘を酷使するスポーツを休止し、しばらく安静にして下さい。さらに、炎症を抑えるために消炎鎮痛剤を用いたり、ステロイド注射を行ったりします。再発を防ぐには、手首や指のストレッチと筋力強化トレーニングなどを行うことが大切です。

肘内障

肘内障は2~4歳くらいの子供によく起こります。肘を引っ張った後、腫れや変形は見られないのに痛がって泣く、腕を下げたまま動かさなくなる、といった症状が見られます。

原因は子供の手を強く引っ張った際に、輪状靱帯から橈骨頭が外れかけることです。幼児期は靱帯が未発達なので、少し強く引っ張っただけでも起こりますが、成長と共に靱帯の固定が強くなるため、成人での発生はほとんどありません。

治療としては、徒手整復を行います。その後は特に固定の必要は無く、通常通りに腕を使っても問題ありません。ただし、5歳頃までは、手を引っ張られることによって繰り返し外れてしまうことがあるので、注意が必要です。

変形性肘関節症

主な症状は、肘の痛みです。安静にしているときは痛みが少ないのですが、肘を動かすと痛みが増強します。肘の屈伸の動きが制限され、口に手が届かなくなったりします。屈伸とともにある角度で肘が動かない状態になり、少しでも動かそうとすると激痛を生じることもあります。

主な原因としては、スポーツや重労働による肘関節の酷使、肘関節内骨折などの肘関節外傷、関節炎などが挙げられます。

治療は日常生活に支障がなければ、消炎鎮痛薬を患部に注射するとともに、患部を固定して安静にします。その後、痛みが和らいだ段階でリハビリテーションを開始します。日常生活に支障が有る場合は、リハビリテーションを行っても改善がなければ、可動域を広げるための手術が選択されます。

上腕骨離断性骨軟骨炎

上腕骨離断性骨軟骨炎や野球肘の初期段階では、投球時の不快感や痛みなどの症状が見られます。安静時には特段の症状はないのですが、進行してくると日常的に痛みが出現します。軟骨が骨から剥がれて関節内に嵌まり込んでしまい、関節の曲げ伸ばしが困難になるケースもあります。

野球などのスポーツで投球動作を頻繁に行う成長期に多く見られます。骨が未発達な段階に投球動作を繰り返すと、上腕骨小頭部にストレスがかかり、関節軟骨と軟骨下骨に分離が生じます。その他、強い捻挫を契機として起こるケースもあります。

治療法は、肘の状態によって異なります。軽度の場合には、ほとんどが保存的治療で治ります。但し、投球動作の制限や抗炎症剤の処方、運動療法などでも改善しないときは手術を検討します。