首の痛みでお悩みの方へ
首の痛みでお悩みの方はとても多くいらっしゃいます。転倒して首を捻ったり、運転時の急ブレーキでむち打ち症になったりすることもありますし、特に思い当たる節がないのに首の慢性的な痛みや違和感に悩まされることもあります。当院では、そうした首の痛みなどに対し、的確な治療とアドバイスで症状改善を目指していきます。
頚椎症
頸椎症は、首の痛みや肩こりなどの症状を引き起こす疾患の一つです。手に痺れや麻痺が生じたり、手の動きが悪くなることもあります。加齢による頸椎の変化する速度には個人差がありますが、一般的には40歳頃から増えていきます。
主な原因は、加齢や外傷です。中高年になるにつれて首の骨の変形や椎間板の変性が進んでいくため、肩こりや痛みに悩まされます。脊髄に圧迫が起こると下半身にも症状が現れ、歩きにくくなったり、脚がつっぱったりします。圧迫がひどい場合は、排尿異常なども起こることがあります。
治療に関して言うと、薬物療法や装具の装着、手術などがあります。初期の場合には、頚椎を固定し、消炎鎮痛剤などのお薬を使用します。これによって痛みなどの症状が和らぎます。日常生活に大きな支障を来したり、重度の麻痺や排尿障害があるときは、手術を検討します。
外傷性頚部症候群(むち打ち症)
外傷性頚部症候群の主な症状は、首の痛みです。首の骨がずれてしまったような感覚に襲われ、頭部や頸部を動かそうとすると痛みや違和感が強まります。さらに、手足のしびれや倦怠感、めまいなどの症状を併発することもよくあります。
原因は、交通事故やコンタクトスポーツなどによる衝撃です。自動車の追突・衝突・急停車、スポーツを行っている際の不自然な外力により、首が急激に反ります。そのため、首の周辺を損傷してしまい、いわゆる「むち打ち症」になるのです。
治療は、保存療法が基本となります。急性期には痛みを抑えるため、消炎鎮痛剤を服用したり、湿布を貼ったりします。筋弛緩薬を用いることもあります。痛みが強いときは、頸椎を固定し、神経ブロック注射などを行います。
椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニアの主な症状
- 首や肩、腕に痛みやしびれがある
- 握力が下がる
- 腕の感覚が鈍くなる
- 手がうまく使えなくなる
- 足がもつれる
- 歩行が困難になる など
頚椎椎間板ヘルニアの原因・治療
頚椎椎間板ヘルニアでは、頚椎の椎間板組織が脊柱管内に突出して神経を圧迫し、痛みやしびれが起こります。重労働による怪我や喫煙などが危険因子とされています。元々の骨の形も関係しますが、そのような原因がなくても、環境的要因によってリスクが高まります。普段から正しい姿勢を心がけるようにしましょう。また、年齢を経るにつれて骨や筋肉もだんだんと低下していくので、適度な運動を毎日続けることも大切です。
なお、いったん変形してしまった頸椎を元の形に戻すことは原則として出来ません。そのため、お薬などで痛みを抑え、日常生活に支障が出ないよう治療を進めていきます。消炎鎮痛剤の処方、筋力強化トレーニング・ストレッチなどの運動療法といった保存的治療が基本となります。そのような治療でも症状が改善しないときは手術を行います。