膝の痛みでお悩みの方

膝の痛みのイメージ写真

膝の痛みでお悩みの方は非常に多くいらっしゃいます。急性の痛み、慢性的な痛みでお悩みの方は、お気軽に当院までご相談ください。薬物治療やリハビリテーションなどを導入し、症状を改善していきます。

変形性膝関節症

変形性膝関節症の主な症状

  • 立ち上がるときに膝が痛い
  • 膝が腫れている
  • 膝に違和感がある
  • 膝が思うように動かない
  • 歩きはじめに痛みが強まる
  • 正座や階段の昇り降りなどが辛い など

変形性膝関節症の原因・治療

変形性膝関節症は50~70歳代に多く見られますが、この原因は加齢による軟骨の変性と考えられています。年齢を重ねるにつれて関節にストレスがかかり、膝の関節軟骨が次第に弾力性を失い、すり減っていきます。これに伴って関節の隙間が狭くなり、膝関節が変形することがあるのです。

変形性膝関節症は遺伝的な要因もあるため、完全に予防できるものではありません。基本的に、いったん変形してしまった関節は元の形には戻らないのです。そのため、症状を緩和することや機能を維持することが主な目的になります。初期の段階では、鎮痛剤内服や関節内へのヒアルロン酸投与、装具処方、物理療法や運動療法を行います。ご自宅でも膝周囲の筋肉強化運動を行っていただきます。こうした保存的治療を行っても改善が見られず、日常生活に支障を来たすほどに進行した場合には、手術治療を検討することがあります。

膝特発性骨壊死

大腿骨内側顆関節の骨壊死が起こる病気です。歩行時や階段の昇り降りなど、膝に負担がかかるときに痛みがますが、安静時にも痛みが出ることがあります。

脆弱性(骨が弱いこと)を誘因として起こるものとステロイド大量投与などに伴って発生するものがあります。

壊死の状態、症状、年齢などを総合的に判断し、治療を行います。まずは消炎鎮痛剤を用いて痛みを抑えますが、進行している場合は、人工関節置換術などの手術を検討します。

膝前十字靭帯損傷

膝前十字靱帯損傷は、主にスポーツ活動時の怪我によって起こります。スキーやバスケット、バレーボール、サッカー、ラグビー、柔道などでよく起こります。スキーでの急激な方向転換、ジャンプの着地などが代表的です。損傷した際は痛みを伴い、ポップ音と呼ばれるゴムが切れたような音がします。急性期の主な症状は、膝の痛み、可動域制限、腫れ、熱感です。慢性期には、スポーツ活動中に膝がグラグラする、階段の上り下りで膝崩れが起こる、膝に力が入らない、といった症状が見られます。

保存的治療と手術治療がありますが、自然治癒は期待できないため、多くは手術治療が選択されます。一般的には、体の他の組織を前十字靱帯に移植する再建術が行われます。手術後は関節可動域訓練や筋力訓練、歩行訓練などのリハビリを行います。高齢者やスポーツを積極的にしない方などでは手術をしないことがありますが、その場合には、筋力訓練や関節可動域訓練を中心としたリハビリ治療を行います。

膝内側側副靱帯損傷

膝内側側副靭帯損傷の主な症状

  • 膝の内側を圧迫すると痛みが生じる
  • 膝の曲げ伸ばしをすると膝の内側に痛みが生じる
  • 膝を完全に伸ばすのが難しい
  • 膝に安定感が無い
  • 膝崩れが起こる
  • 膝の内側が腫れている など

膝内側側副靭帯損傷の原因・治療

基本的には膝関節の外側への反りや強い捻り動作で損傷し、スポーツでの受傷が主で、急な方向転換をするテニスや野球、バスケットボール、スキー、サッカーなどで多く見られます。また、ラグビーやアメフトのようなコンタクトスポーツでは、タックルにより膝関節に外反や外旋が強制された時に断裂しやすくなります。

痛みや腫れは一定期間で落ち着くケースがほとんどですが、損傷の程度が強いと膝の不安定感が残って、慢性化する恐れがあります。また、治療せずにスポーツ活動を続けると、軟骨損傷や半月板損傷を起こす可能性も高くなります。そのため、患部の腫れや炎症を抑える目的で受傷早期はアイシングや消炎鎮痛剤内服を行います。損傷の程度によってしばらく装具を使用します。回復の程度を見ながら関節可動域訓練や大腿四頭筋訓練などの運動療法も行います。他の靱帯損傷を合併しているときは、靭帯縫合術や靭帯再建術の手術が行われることもあります。

膝半月板損傷

主に膝に痛みやひっかかりを感じたりする症状が現れます。切れた半月板が関節の間に挟まることで、ひっかかりが生じます。ひどい場合には膝を完全に伸ばせなくなる「ロッキング」という状態になることもあります。

スポーツなどの怪我によって生じる場合と、加齢が原因となって損傷する場合があります。前者には、体重が加わった状態でのひねりや衝撃によって半月板だけが損傷するものと、前十字靱帯損傷などに合併して起こるものがあります。加齢によるものは、繰り返しかかる負担や関節の加齢による変化が原因となります。

半月板損傷の治療には、保存的治療と手術治療の二つの方法があります。経過観察することもありますが、痛みが強い場合には、様々な方法で炎症を抑えます。急性期にはRICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)、痛み止めを処方し、装具処方といった治療を行います。日常生活に支障がある場合、半月板の切れ方によっては手術の適応になります。

膝蓋骨骨折

膝蓋骨に生じる骨折です。膝前面を強く打撲した後、膝蓋骨周辺の強い痛みや腫脹が起こります。骨折の状態によって治療方法は異なります。膝蓋骨があまりずれていないときは保存治療を選択します。骨を正しい位置に戻してから固定します。骨折部のずれが大きい時は手術を行い、術後にリハビリを行います。

オスグッドシュラッター病

10-14歳の発育期男子のスポーツ選手に多い病気です。主な症状は、着地動作時の膝の痛み、ダッシュや急激なストップ時の運動障害、軽度の腫脹、熱感です。脛骨結節に突出が見られることがあります。安静時には痛みは落ち着きますが、スポーツ活動を再開すると再発します。成長期を過ぎた頃から症状は軽くなっていきます。

主な原因は、膝への慢性的な負荷です。脛骨粗面の二次骨化中心の前方部分が膝蓋靭帯の牽引力によって部分的な剥離を起こすことが原因です。特にジャンプやダッシュ動作の多いバスケットボール、バレーボール、テニス、サッカーなどで多く見られます。

基本的に保存的治療を行います。運動は一時的に休止し、応急処置としてアイスマッサージをしたり、筋肉を柔軟にするためのストレッチや筋力トレーニングを行ったりします。痛みが強い場合には消炎鎮痛薬を用いたり、超音波や低周波などの物理療法を行ったりする場合もあります。